インプラントは、失った歯の代わりに顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込んで顎の骨と結合させ、その上に人工の歯を取り付けて機能と見た目を回復させる治療法です。
アバットメントは、インプラントと人工歯をつなぐための部材で、インプラントの強度を高める、人工歯の角度を調整する、インプラント本体を歯ぐきの中に隠して審美性を高める等の重要な役割を担います。
メリット
▷天然の歯に近い自然な見た目にできる
▷安定性が高く、天然の歯と同じようにしっかり噛める
▷周囲の他の歯に負担をかけない
▷顎の骨が痩せることを防ぐ効果が期待できる
デメリット
▷保険適用外のため費用が高額になる
▷外科手術が必要になる
▷インプラントを骨と結合させるため治療期間が長い
▷毎日のケアと歯科医院での定期的なメンテナスが不可欠
インプラント手術には、インプラント埋入とアバットメント連結を分けておこなう「2回法」と、一度の手術でおこなう「1回法」があります。
顎の骨にインプラントを埋め込む場所を作る
インプラントを埋め込み、顎の骨としっかりと結合するまで待つ
顎の骨とインプラントが結合したらアバットメントを取り付ける
アバットメントを取り付けた歯ぐきの手術痕の治癒を待って人工歯を装着する
インプラント治療完了
抜歯即時埋入は、抜歯とインプラント埋入を一度の手術で同時におこなう治療法です。
抜歯後の治癒期間を待たずにインプラントを埋め込むため、治療期間を短縮できます。
ただし、全症例に適用できるわけではなく、抜歯する歯の状態、顎の骨の量、患者様の全身状態などを総合的に判断し、慎重な診断と高度な技術が必要となります。
顎の骨が痩せてインプラント治療に必要充分な厚みと高さがないときは、骨造成(骨の再生治療)で骨を増やします。
骨造成には、患者様ご自身から採取した骨(自家骨)や人工骨、その他骨補填材を使用して骨を再生します。
骨誘導再生法(GBR:Guided Bone Regeneration)では、骨を増やしたい部分を人工膜(メンブレン)で覆い、その中に自家骨や人工骨などの骨補填材を詰め、骨の素となる骨芽細胞の増殖を促して骨を再生します。
骨が不足する手術部位
インプラントを支えるための充分な骨が不足
骨が不足する部分をメンブレンで覆い骨補填材を詰める
3~4ヶ月程度で骨が再生
サイナスリフトは、上顎の奥歯の歯槽骨の厚み・高さが足りない場合に、上顎洞(サイナス)の底部に骨補填材を埋め込んで骨を再生し、インプラント治療を可能とするための方法です。
上顎には空洞(上顎洞)があります。
健康な歯がある場合は骨の量と高さが維持されています。
上顎の骨は下顎に比べて柔らかいので、歯を失うと骨が急速に吸収されて上顎の骨が痩せていきます。
この状態では、インプラント治療はできません。
サイナスリフトでは、上顎洞粘膜を傷つけないように持ち上げ、上顎の骨と粘膜との間に骨補填材を詰めて骨の再生を促します。
3~6ヶ月程度で上顎洞の底部に骨が再生され、骨の量と高さが確保されることでインプラント治療が可能になります。
